日本女子サッカーリーグは、このたび新しい1部優勝トロフィーとメダルが完成しましたのでお知らせいたします。
■背景 :
従来のトロフィーやメダルは、勝者の証という以外の意味合いは特に込められておらず、リーグの魅力が十分伝えられていませんでした。アマチュアの最高峰として2シーズン目を迎えたこのタイミングで、大会を象徴する1部の優勝トロフィーを刷新し、新たな意味を持たせることで「なでしこリーグならではの魅力」を伝えていきたいと思い、制作しました。
■コンセプト :
様々な背景を持つ選手たちの活躍を祝いたいといいう思いからコンセプトワードは『Convivial(コンビビアル)』。元はラテン語の convivere に由来し、con は「共に」、vivere は「生きる」、「共に生きる」を意味しています。
■新トロフィーに込められた思い:
チームプレーであるサッカーは、同時に選手一人一人の自立した個としての働きが必要不可欠です。
日常でも、ピッチ上でも、様々な役割を担った選手達が個性を発揮しています。
その一人一人にスポットを当て、それが一つのトロフィーになります。
トロフィーは、選手一人一人を表すメダルが集まってできており、勝利に向かって一つになる姿であり、全体と個が響きあっています。
トロフィーとメダルにそのような新しい思いを吹き込み、なでしこリーグが大事にしている多様性を体現しました。
■制作者:
渡辺 志桜里
近年活躍中の女性現代アーティスト。
【経歴】
2008 年中央大学文学部仏文学専攻卒業
2015 年東京藝術大学美術学部彫刻科卒業
2017 年年東京藝術大学大学院美術研究科彫刻専攻修了
【受賞歴】
2015 東京藝術大学卒業制作展、東京都知事賞、東洋文庫賞
2015 AAC アートコンペティション、最優秀賞
【展⽰歴】
2021 年「非≠人間と物質 / Non Not equal Between man and matter」3331 Arts Chiyoda
2021 年 「Das Fremde in der Isolation」 ドイツ/ケルン
2021 年「水の波紋展 2021」渋谷区役所美竹分庁舎
2021 年 「ベベ」WHITEHOUSE
2021 年 「FLUSH-水に流せば-」EUKARYOTE
2020 年「ノンヒューマンコントロール」TAV gallery
2020 年「Dyadic Stem」The 5th Floor 東京
その他多数
■トロフィー・メダルの構造:
トロフィー全体の形は、サッカーボールを原型にしており、選手達がサッカーのために集まった様子を想起させます。
・トロフィーは、チームの選手一人一人を表すメダルが集まって一つになることで完成します。
・メダルを取ると、内側には優勝の証と共に、中心にナデシコ科の様々な花が描かれています。世界には約 300 種のナデ シコ科の花があり、それらを模して描かれた花々は選手一人一人の多様性を表します。メダルの形と柄の組み合わせは 一つとして同じものがありません。
・メダルをかける首紐には通常リボンが用いられますが、新しいメダルでは日本の伝統的な組紐を使用しています。古来よ り着物の帯締、茶道具や刀の留め具など様々なものに使われていた組紐です。今回使用している素材は上質な絹糸 で、リーグのアイデンティティを表す「なでしこリーグのカラー」で染め上げられています。
・サッカーを通じてチームメンバー全員が一つになって得た勝利を形にした、新しい1部優勝トロフィーとなっており、 これからのなでしこリーグのあり方を体現したものとなっています。